掲載日:2024.08.28

冷え性と血流 健康への影響

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寒い季節には、冷え性に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
しかし、冷え性とは「ただ寒い」だけのものではありません。体温を調節する機能に関係していて、健康に影響を及ぼすこともあります。この記事では、冷え性と血流に焦点を当て、その原因・影響・改善方法について解説します。

冷え性の原因と血流の関係

冷え性は複数の原因が組み合わされることで、発症する場合があります。この原因は複雑で個人差があるものです。冷え性に悩む場合は原因を特定し、それに合った対策を考えましょう。

冷え性の主な原因

あなたの身体に備わっている体温の調節機能。この機能に何かしらの問題があると、冷え性になります。そうなると、寒さに対する適切な反応ができなくなり、手足などが冷たく感じるようになります。

血管の収縮

血管が収縮すると、血液の流れが悪くなり、体温の調整が難しくなります。これは、寒い場所にいるときに身体が熱を逃がさないようにする自然な反応ですが、冷え性の人はこの反応が過剰に起こりやすく、結果として血液の流れが悪くなり、体温が下がりやすくなります。

代謝の低下

代謝は、体内でエネルギーを産生して消費するために必要な要素です。代謝が低い場合、体内のエネルギー供給が不足し、体温を維持するために必要なエネルギーが不足することがあります。 原因はさまざまで、遺伝的要因・年齢・ホルモンバランス・運動不足などが影響を与えます。

遺伝的要因

遺伝も冷え性の発症に影響を与えることがあります。例えば、両親が冷え性だった場合、その子どもや孫も冷え性が発症する可能性は高くなります。遺伝は、冷え性になりやすいかどうかを決める大きな要因の1つです。

血流と体温調節の関連性

体温と血流には密接な関係があります。血液は熱を運ぶことで、体温を整える役割があります。しかし、血流が悪くなると、体温の調整が難しくなり、冷え性の症状が現れやすくなります。


血流が正常に機能していないと、身体の表面まで熱が届かなくなってしまうため、体温が下がります。その結果、手足や他の末梢部が冷たく感じられるようになり、冷え性の症状が悪化します。
体温調節と血流のバランスは、冷え性の改善において重要な要素です。


冷え性と健康

冷え性の症状が長期間続く場合は、専門家の診断を受けることも必要です。冷え性は単なる不快な症状というだけではなく、他の健康問題と深く関連していることがあるためです。
ここでは、冷え性と他の健康問題との関連性について解説します。

免疫機能の低下

免疫機能は、身体を病原菌やウイルスから守るための重要なメカニズムです。しかし、体温の低い状態が続くことで免疫機能が低下し、感染症に対する抵抗力が低下します。

筋肉と関節の不快感

冷え性の方の中には、筋肉と関節に日常生活に影響を与えるレベルの不快感を抱えている方もいます。冷え性を軽減し、筋肉と関節の不快感を緩和するためには、体温を上げるための温活活動や温かい服装などが役立ちます。

神経系の不調

冷え性が長期間続くと神経系にも影響を及ぼします。神経系は身体の情報伝達や調節に関与し、体温調節にも関連しています。冷え性による神経系の不調は、睡眠障害を引き起こすこともあり、日常生活に大きな影響を及ぼします。

代謝の低下

代謝の低下は、冷え性によって引き起こされる健康問題の中でも重要な問題の1つです。
代謝が低下すると、摂取したカロリーを効率的に燃焼できなくなり、余分なカロリーが体脂肪として蓄積しやすくなります。これは肥満のリスクを高める要因となります。

消化器系の問題

冷え性は胃や腸の血行を悪化させることがあるため、消化器系の問題を引き起こす可能性があります。消化不良や腹痛、便秘などの症状は、日常生活に不便をもたらすだけではなく、栄養の吸収や体内の毒素排出にも影響を与えます。

血行不良による健康問題

血行不良は冷え性と密接に関係しています。冷え性が続くと血管を収縮・拡張させる機能に不調が生じて、血行不良のリスクを増加させます。これにより、高血圧や心臓病などの血管系の健康問題につながることがあります。

 

女性と男性の冷え性の違い

冷え性は女性と男性で性別による違いがありますが、いくつかの共通点も存在します。 ここでは、女性と男性の冷え性について解説します。

女性の特徴的な症状

女性は生理的に男性よりも寒さに対する感受性が高く、冷え性になりやすいといわれています。さらに、女性の冷え性は月経周期、妊娠、更年期などの生理的変化に影響を受けることがあります。

月経関連の症状

月経時に子宮の収縮によって体温が下がり、冷え性の症状が悪化することがあります。この期間に腹痛や冷えた感覚が強く現れることが一般的です。

妊娠中の影響

妊娠中は胎児への栄養供給に多くの血液が必要となるため、母親の体温調節が難しく、冷え性のリスクが高まります。この時期には特に手足の浮腫や冷えが顕著に現れることがあります。

更年期障害の症状

更年期にはホルモンの変化が体温調節に影響を与え、ホットフラッシュなどの症状が冷え性を悪化させることがあります。

男性の特徴的な症状

男性は女性に比べて筋肉量が多い傾向にあります。筋肉は熱を発生しやすいため、一般的に、男性は女性よりも冷え性になりにくいといえるかもしれません。
しかし、男性でも冷え性の症状が現れることがあります。特に、高齢の男性や体重不足の男性は冷え性のリスクが高まります。

筋肉のこわばり

女性に比べて筋肉量が多いからこそ、その筋肉のこわばりや痛みが冷え性の症状として現れることがあります。

末梢部の冷え

手や足などの末梢部が冷たく、指やつま先がこわばることがあります。

男女共通の症状

手足の冷たさ

どちらの性別も、手や足が冷たく感じられることが一般的な症状です。

身体の冷たさ

寒さに敏感になって、身体全体が冷たく感じられる傾向があります。

冷えからくる不調

寒い環境に長時間さらされたり冷たい水に触れたりすることで、男性も冷えからくる不調の影響を受けることがあります。


冷え性の症状は個人によって異なり、性別だけでなく年齢、生活習慣、環境などにも影響を受けることがあります。

 

冷え性の改善方法

体温を上げるための温活活動

冷え性を改善するためには、体温を上げるための活動を取り入れることが有効です。
以下は、体温を上げるための「温活活動」の例です。

適度な運動

適度な運動は筋肉を活性化し、体温を上げるのに役立ちます。有酸素運動やストレッチなどを日常的に行うことで、徐々に体温の調節機能が改善されます。

保温対策

寒い環境に長時間さらされる場合は、暖かい衣類や防寒具を使用して身体を温かく保つようにしてください。特に、手足や頭部を保温すると効果的です。

身体を温める食事

温かい食事やスープ、ショウガや唐辛子を含む食材などをとることで、体温を上げることができるといわれています。

食事で冷え性と血行を改善

食事は冷え性の改善において重要な要素です。特定の食材を摂取することで、血行を促進し、体温を上げることができます。以下は、血行促進に役立つ食材の例です。

生姜

生姜には「ギンゲロール」と呼ばれる成分が含まれています。この成分には血行促進の効果があるため、生姜を摂取すると発汗しやすくなり、それによってむくみの解消やデトックス効果が期待できます。

にんにく

にんにくに含まれるアリシンという成分は、加熱によってスルフィド類と呼ばれる物質に変わります。この変化によって、血液が全身に行き渡りやすくなり、血行促進が期待できます。血行が良くなると、手足の末端にまで血液が届き、冷え性の改善につながります。

シナモン

毛細血管は老化すると、層を作っている壁の細胞がはがれて微細な隙間ができます。この隙間から、血液や栄養が漏れ出すと、血流の悪化や炎症が生じます。
シナモンに含まれる「シンナムアルデヒド」は、毛細血管の細胞同士を結びつける作用を持つ「Tie2」を活性化します。
これにより、毛細血管の細胞が密着し、炎症が予防され、動脈硬化や糖尿病合併症などの生活習慣病の進行を遅らせることが期待できます。

青魚(イワシ・サンマ・サバなど)

青魚に多く含まれているのがDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)です。DHAは血管の弾力と柔軟性を向上させます。EPAはコレステロールや脂質の吸収を妨げ、血栓の発生を抑制することで、血液の流れを改善する作用があります。

納豆

納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素には血栓を溶かす効果があり、血管の詰まりを改善し、血液の循環を促進します。また、納豆に含まれるビタミンB2の作用によって、血中コレステロールの減少も期待できます。

野菜(緑黄色野菜)

野菜は、ビタミンやミネラルが豊富で抗酸化作用の高い緑黄色野菜を積極的に摂取することをおすすめします。
これらの野菜に含まれる栄養素は、血管の健康を保ち、老化や動脈硬化を防ぐ助けになります。

海藻類(昆布・わかめなど)

海藻類に多く含まれているアルギン酸は、不要なコレステロールの吸収を妨げて体外に排出します。適切な摂取量を超えたコレステロールは動脈硬化の引き金になります。
昆布やわかめを食べることで、動脈硬化のリスクを低減することが期待できます。

果物

果物は、抗酸化作用がある、ビタミンCやEが豊富な柑橘類、ポリフェノールが豊富なリンゴやブルーベリーがおすすめです。これらを食事に取り入れることで、血管の老化を予防することが期待できます。

きのこ

きのこは多くの食物繊維が含まれています。食物繊維は血糖値を安定させ、コレステロールの吸収を防いでくれます。血中の血糖値とコレステロールが減少することで、血液がスムーズに流れやすくなります。

血流を改善する飲み物とサプリメント

食品と同様に、特定のサプリメントも血行を改善し、冷え性を改善するのに役立ちます。
以下は、血流を改善する飲み物とサプリメントの例です。

マグネシウム

マグネシウムは筋肉のリラクセーションに役立ち、血管を拡張する助けになります。マグネシウムのサプリメントを摂取することで、血行をサポートできます。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は血行を改善し、血栓の形成を予防するのに役立ちます。魚油サプリメントなどでオメガ3脂肪酸を摂取することで、冷え性の改善が期待できます。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
冷え性が続くと、他の健康問題との関連が懸念されるので十分な注意が必要です。
冷え性対策として温活活動や生活習慣の改善などがありますが、特定の食品の摂取や血行促進の取り組みも効果的です。


冷え性の原因や症状には個人差があり、さらに性別による違いも存在します。
本格的に冷え性に悩んでいる場合は、専門家のアドバイスを受けつつ、自身に合った対策を見つけてください。
冷え性を改善して健康的な体温を維持できれば、日常生活の質を向上させることができます。


※この記事は、健康に関する一般的な情報を提供するものであり、医師等の医療従事者の行う医学的なアドバイスやそれに代替する情報を提供するものではありません。この記事を参考にされる際は、ご自身の健康状態に留意のうえ個人の責任において行ってください。また、健康上の懸念がある場合には、医師にご相談ください。


【参考資料】
●株式会社クレディセゾン「セゾンのくらし大研究」
●マリーンバイオ株式会社「charging Life チャージングライフ」
●養命酒「ハーブ・生薬のあるすこやかな暮らしをお届け!楽しむ学ぶ」
●再春館製薬所「DOMO COLUMN」
タマノイ酢株式会社「ヘル酢タス」

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